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那珂湊天満宮御祭禮の見どころ

 


 那珂湊天満宮の祭礼は見どころが有り過ぎます。300 年を超える形 式・手続を守る御神事に係る部分と、人々と共に娯楽・芸能を共有する 屋台に係る部分に分けられますが、見どころが同時間帯に様々な場所に 出現しますので、一度の祭礼で全てを見物するのは至極困難(無理)と いえるでしょう。 全てを見物するのを諦め、以下に記した見どころから掻い摘んで見物 いただければ、とりあえずは容易かと思います。 ちなみにこれとは別な方法として「年番町」若しくは「御神輿」又は 「芸妓が乗る屋台」などとターゲットを絞って、それにずっと付いて行 くというのも実に情緒的で興味深い方法だと思います。 当ホームページに掲載している「那珂湊天満宮御祭禮全日程詳解」を 片手に、この頑なに伝統を守る稀有の祭礼を存分にご堪能下さい。
 
一覧

■那珂湊天満宮御祭禮 第1日 木曜日■

1-1 「お宮参り行列出発」

1-2 「各町内を巡回するお宮参り行列」
1-3 「那珂湊天満宮へ参拝」

■那珂湊天満宮御祭禮 第2日 金曜日■

2-1 「献幣使の参向」

2-2 「日が落ちて進む例祭」

■那珂湊天満宮御祭禮 第3日 土曜日■

3-1 「釈迦町若衆によるお網掛けの儀」
3-2 「明神町に集結する供奉行列と、その出発」
3-3 「御神輿の御出社と引渡しの儀」
3-4 「供奉行列と出御行列が合流して神幸行列へ」
3-5 「夕焼けに染まる那珂湊と神幸行列」
3-6 「御神輿が御仮殿に到着」
3-7 「神職の行列が御旅所に到着」
3-8 「供奉行列が和田町中通りに到着」
3-9 「風流物のお囃子」

■那珂湊天満宮御祭禮 第4日 日曜日■

4-1 「お網外しの儀、お網掛けの儀」
4-2 「お浜入り」
4-3 「御神輿の御幸」
4-4 「御旅所へのお上がり」
4-5 「獅子舞奉納」
4-6 「和田町に集結する町印・風流物」
4-7 「御仮殿出発前の祭儀」
4-8 「御仮殿出発」
4-9 「還幸行列の出発」
4-10 「天満宮にお戻りになる御神輿と還幸行列」
4-11 「天満宮へ到着後の祭儀」
4-12 「供奉行列が明神町に到着」
4-13 「風流物のお囃子」
4-14 「牛久保町と殿山町のとっぴき」
4-15 「屋台の曳別れと本町二丁目」

■おまけ 屋台のみどころ■
 

 
■那珂湊天満宮御祭禮 第1日 木曜日■
お宮参り

1-1 「お宮参り行列出発」
9:00 年番町祭典事務所前
 年番町が町印を誇らしく掲げると、いよいよ祭礼が始まります。緊張した面持ちの手古舞たちが手にする金棒は、拍子木に合わせて地面を突ことで、邪気を祓い、行列に神が宿るとされます。
 
1-2 「各町内を巡回するお宮参り行列」
9:00 ~16:00 那珂湊地区内各所
 町の人々は沿道にて行列を迎え、互いにお祝いの言葉を述べ合います。皆、祭礼を心待ちにしていた様子です。お宮参り行列に出会うことは、縁起の良いこととされます。
 
1-3 「那珂湊天満宮へ参拝」
年番町による
 那珂湊天満宮  年番町の役員が拝殿へ上がり参拝します。その他の者は境内にて休憩します。
 
 
 
 
■那珂湊天満宮御祭禮 第2日 金曜日■
例祭

2-1 「献幣使の参向」

17:30 頃 天満宮前

 例祭を控えた天神馬場先の凛とした雰囲 気とそこに参向する献幣使の出で立ちは伝 統の風景です。
 
2-2 「日が落ちて進む例祭」

6:00~ 21:00  天満宮

 夕闇に浮かび上がる天満宮の灯。その中に 整列する 100 名を超える氏子役員が粛々と祭儀を進めます。天満宮は極めて厳粛な雰囲 気に包まれます。
 
2-3 「神前での儀式」

6:00~ 21:00 天満宮

 辺りはすっかり夜の帳が下りた頃、例祭以 外の儀式が行われます。重要な年番引継の儀や神璽奉還の儀もさることながら、3日目4日目に町印や風流物の行列順を神前にて抽 選する儀式も行われます。必見です。
 
 

 

 

■那珂湊天満宮御祭禮 第3日 土曜日■
神幸祭
3-1 「釈迦町若衆によるお網掛けの儀」
14:00 頃 天満宮拝殿

御神輿へのお網掛けは、釈迦町若衆にのみ許された神事です。年番町が敬意を表して迎え入れた釈迦町若衆が、誇り高く、見事なお網掛けを行います。
 
3-2 「明神町に集結する供奉行列 出発」
17:00~17:30 明神町

 天神様の御神幸に供奉するために集結した各町の町印が圧巻です。風流物(山車)はその後方に並び、出発を待ちます。
 
3-3 「御神輿の御出社と引渡しの儀」
17:30~18:00 頃 天満宮

 釈迦町若衆による御神輿の御出社の後、御中座での祭儀を経て鳥居内にて年番町へ引渡しを行います。年番町が襟を正して責任を務める、伝統の儀式です。
 
3-4 「供奉行列と出御行列が合流して神幸行列へ」
18:00 頃 天神馬場先

 天満宮を出発し、天神馬場先で待機する出御行列。そこに笛囃しと共に供奉行列がゆっくりと近づいてくる様子は格別で印象深いのです。
 行列は合流し、いよいよ全長1km を超える神幸行列の出発です。300 年を超える伝統が現代にその姿を現す壮大な時代絵巻に心を奪われることでしょう。六町目の獅子が御神幸の先頭を務めます。
 
3-5 「夕焼けに染まる那珂湊と神幸行列」
18:00~19:00 頃 神幸行列の順路

 獅子を先頭に氏子町内を行幸する天神様とそれに供奉する氏子の行列。年番町は御神輿の先に立ち、高く掲げた町印の下、拍子木・金棒により行く先を清める大役を務めます。
 行列を彩る艶やかな手古舞が手にする提燈には日没と共に火が入ります。町印の行列は人々の信心の尊さを表すかのよう。後方には飾り立てた屋台の行列が続く。
 日の落ちた街の中に神幸行列が浮かび上がり見る者を非日常へ誘い込みます。
 
3-6 「御神輿が御仮殿に到着」
19:00 頃 御仮殿(魚市場前)
 御神輿は民衆に近い御仮殿へ到着。行く先をお清めしてきた手古舞や年番町の総員が両側に整列し、天神様をお迎えします。

 
3-7 「神職の行列が御旅所に到着」
19:00 頃 御旅所

 天神様のご案内を務める猿田彦大神や神職らは、御神幸の目的地である御旅所へ到着。厳粛な祭儀を執り行います。
 
3-8 「供奉行列が和田町中通りに到着」
19:00 頃 和田町中通り

天神様の御神幸に供奉した行列は、翌日の還幸行列の出発点となる和田町の表示板前に到着・通過し、解散となります。人々の充実した幸福な表情はプライスレス!
 
3-9 「風流物のお囃子」
19:00 頃~22:00 頃 氏子町内各地及び那珂湊商店街
 神幸行列の最後尾を供奉していた屋台は、和田町で行列から離れ、民衆と共に大通りでお祭り騒ぎとなります。この頃にはすっかり日も落ち、人も町もまるで夢を見ているかのような、いつの時代ともわからぬ幻想世界が広がります。
 
※ 風流物(いわゆる山車)は、祭礼とは関係なく日中も各町内を流して います。ぜひ追いかけてみてください。
 

 
■那珂湊天満宮御祭禮 第4日 日曜日■
神幸祭
4-1 「お網外しの儀、お網掛けの儀」
4:30 ~6:00 御仮殿(魚市場前)
 年番町がお迎えする釈迦町若衆により、前日の出御に当たり掛けられた緋色のお網が外されます。いよいよ始まる御神輿のお浜入りの一切を奉仕する和田町及び責任役員により御神輿にお網が掛けられ、サラシが巻かれます。
 全員が頭を下げた祭儀の後、御神輿は褌一丁の若衆に担がれ、歓声の中、威勢よく出発します。必見です。
 
4-2 「お浜入り」
6:00~6:30 頃 お浜入り場

 700 年前、神が海から現れた伝説のその場所にお浜入り。激しく、勇壮な海中渡御により御神輿ごと海中に沈めて天神様は禊ぎをします。  
 そうして奉仕する若衆の魂振りでその霊威は最高潮に達します。
 早朝の大規模な神事で、その迫力に圧倒されるでしょう。これが湊の祭りなのです。
 
4-3 「御神輿の御幸」
6:30 ~10:00 頃 氏子町内各地

 褌一丁の若衆による激しい魂振りを伴いながら、天神様が氏子町内を渡御し、家々では御神輿にお水掛けを行いながらお迎えします。人々は那珂湊の街全体に神が宿る瞬間を目の当たりにすることになるでしょう。
 古来の風情を残す地域で切り取られた映像は、300 年前と変わらぬ姿を見せるのです。
 
4-4 「御旅所へのお上がり」
10:00 頃 御旅所

 氏子町内の御幸を終えた天神様は,御神幸の目的地である御旅所へ到着。奉安しようとする若衆とそれを阻止しようとする若衆が激しく何度も衝突します。
 年番員や見物客大勢が両側に整列し,御神輿をお迎えします。当地は那珂湊の高磯と呼ばれる名磯のある場所で,御神輿はその上に奉安され,祭儀が執り行われます。
 最後に、この場においてこの御祭礼で唯一の一般への御神酒頂戴が行われます。
 
4-5 「獅子舞奉納」
10:30 頃 獅子舞奉納

 那珂湊の真夏の日差し降り注ぐ御旅所に鎮座する御神体,どこまでも澄み渡る笛 の音に合わせて青空に高く舞う獅子。 この御祭礼のひとつのクライマックス がここにあるのです。
 

 


還幸祭
4-6 「和田町に集結する町印・風流物」
17:00 頃~18:00 頃 和田町中通り

 還御行列に供奉するため、各町の町印と各町の屋台が和田町中通りに集結します。大役に向けた緊張感が辺りを包みます。
 
4-7 「御仮殿出発前の祭儀」
17:30 頃 御仮殿(魚市場前)
 年番町、手古舞ら総員が御仮殿を囲むように整列し、頭を下げて、還御に向けた祭儀が執り行われます。
 
4-8 「御仮殿出発」
17:50 頃 御仮殿(魚市場前)
 年番町印を先頭とし、笙・薬師七力・笛と共に御神輿が厳かに出発します。
 
4-9 「還幸行列の出発」
18:00 和田町中通り

 還御行列が和田町中通りにさしかかると、和田町中通り掲示板前で待機していた供奉行列がそれに続いて出発します。各町は年番町による呼出しを受け出発。花火が上がり、行列は還幸行列となります。各町は自らの町印を誇らしく掲げ、御神輿に供奉します。最後方に供奉する屋台は全て「鎌倉」を演奏する決まりになっています。
 漁師町の雰囲気を残す和田町界隈における還幸行列は、最も古の風情を残しているといえるでしょう。
 
4-10 「天満宮にお戻りになる御神輿と還幸行列」
18:00から 那珂湊商店街から天満宮
 行列を先導する年番町印、行列の行く先を祓い清める拍子木・金棒、行列を彩る手古舞・稚児、総力を持って年番を勤め上げた年番総員、雅楽と共に静かに歩みを進める御神輿、町印を掲げ供奉する氏子各町、煌びやかな風体と艶やかな三味の音で囃す屋台、その全てがメインストリートを極めてゆっくり
と進みます。
 歴史と伝統は、今の時代にも生きているのです。
 
4-11 「天満宮へ到着後の祭儀」
19:00 頃 天満宮

 御神体はいよいよ天満宮へお戻りになります。行列は天満宮橋を渡らず、脇の口から境内に入り、御神体の到着を待ちます。境内では釈迦町、元町、年番町が天満宮橋の内側から内の鳥居までの両側に整列し、御神体をお迎えします。
 その後、御神輿の引き渡しの儀が行われ、供奉した氏子各町に御神酒頂戴が行われます。この厳粛さといったら他にはありません。
 
4-12 「供奉行列が明神町に到着」
19:00以降 明神町表示板前

 御神輿に供奉した行列は天満宮を出発し、やがて明神町の表示板前を通過します。これにより、祭典は終了します。通過時に、年番町により氏子各町が呼び上げられます。
 
4-13 「風流物のお囃子」
9:00 頃~22:00 頃 氏子町内各地及び那珂湊商店街
 各町ごとに趣向を凝らした伝統の屋台に自慢のお囃子。日中は各地で芸能を披露していた屋台も、供奉行列解散後は民衆と共に大通りでお祭り騒ぎとなります。3-9同様、人も町もまるで夢を見ているかのような、いつの時代ともわからぬ幻想世界が広がります。
 
4-14 「牛久保町と殿山町のとっぴき」
22:00 頃 七町目の坂

 牛久保町と殿山町の屋台は自町内に帰るため、人力だけで七町目の坂を駆け上がらなければなりません。まず、両町の屋台は七町目交差点に並びます。その周囲にはしだいに人が集まりだし、突如お囃子の太鼓のリズムが変わります。威勢の良いとっぴきの演奏とともに気勢が上がったと思うと、まず一方の屋台がスタート。先導者の掛け声に合わせ、総員が一度に駆け出します。屋台を引き駆け上る若衆に太鼓が応えます。
 続いてもう一方がスタート。気勢と歓声で夜の空気が震えます。
 意外と知られていない、深夜の大クライマックスなのです。見物に行った場合は、牛久保町や殿山町の若衆と共に屋台を引いてください。皆で坂を駆け上がろう。
 
4-15 「屋台の曳別れと本町二丁目」
22:00 以降 各町内

 2日間民衆と共に神を祝い、娯楽を共にした各町の屋台がそれぞれ自町内へ帰ります。深夜にもかかわらず笑顔と拍手で出迎える自町内人々に応えつつ屋台は極めてゆっくりと進み、どの町の屋台も演奏は本町二丁目となります。
 屋台上の者、屋台を引く者、付き添う者全員で本町二丁目を朗々と歌い上げながら、ゆっくりゆっくりと屋台蔵へ向かいます。
 屋台蔵前では、屋台を蔵にいれまいとする人々により押し返される光景も見られますが、それもやがて決着し、屋台上では千秋楽の舞が披露されます。最高です。
 

 


■屋台の見どころ(おまけ)■
屋台-1 「各町の屋台の造り」
第3日目及び第4日目 各地

 各町の見栄とプライドが交錯する豪華な屋台。その彫刻、漆、飾付け、電飾などとにかく伝統の中にある個性に心奪われます。
 
屋台-2 「屋台のお囃子」
第3日目及び第4日目 各地 

 お囃子は10曲以上存在し、そのどれもが実につきづきしい調べを奏でますが、特に有名なのは「おっしゃい」「とっぴき」「四町目」「鎌倉」などです。また、最後に全員で浪々と歌い上げる「本町二丁目」や、最後の最後「千秋楽」なども有名です。
 
屋台-3 「屋台の門付け」
第3日目及び第4日目 各地

 神幸祭や還幸祭に供奉する前の日中は、各屋台が市内各地を巡回し、屋台を止めて舞や踊りを披露します。芸妓の屋台もあれば自町の者の屋台もあります。
 屋台を出している町の祭典事務所で、巡行スケジュール(何時にどの辺にいるのか)を確認することができます。
 
屋台-4 「供奉行列の屋台」
第3日目及び第4日目の 18:00以降 那珂湊商店街通り
 日中は各地で芸能を披露していましたが、行列となるとその最後方から連なって囃しながら進むので、定点で全町の屋台を見物可能です。
 
屋台-5 「日没後の屋台」
第3日目及び第4日目の 18:00以降 那珂湊商店街通り
 日中とは異なるもう一つの顔。個性ある電飾による光の演出と祭りの調べは、人も町も夢の中へ誘います。各町の浴衣衣装と共演し、まさに幻想的光景、ファンタジーの世界へ入り込みます。
 
屋台-6 「牛久保町と殿山町」
第4日目の 22:00頃 七町目の坂

 牛久保町と殿山町の屋台は自町内に帰るため、人力だけで七町目の坂を駆け上がらなければなりません。まず、両町の屋台は七町目交差点に並びます。その周囲にはしだいに人が集まりだし、突如お囃子の太鼓のリズムが変わります。威勢の良いとっぴきの演奏とともに気勢が上がったと思うと、まず一方の屋台がスタート。先導者の掛け声に合わせ、総員が一度に駆け出します。屋台を引き駆け上る若衆に太鼓が応えます。
 続いてもう一方がスタート。気勢と歓声で夜の空気が震えます。
 意外と知られていない、深夜の大クライマックスなのです。見物に行った場合は、牛久保町や殿山町の若衆と共に屋台を引いてください。皆で坂を駆け上がろう。
 
屋台-7 「曳別れと本町二丁目」
第4日目の 22:00以降 各町内

 2日間民衆と共に神を祝い、娯楽を共にした各町の屋台がそれぞれ自町内へ帰ります。深夜にもかかわらず笑顔と拍手で出迎える自町内人々に応えつつ屋台は極めてゆっくりと進み、どの町の屋台も演奏は本町二丁目となります。
 屋台上の者、屋台を引く者、付き添う者全員で本町二丁目を朗々と歌い上げながら、ゆっくりゆっくりと屋台蔵へ向かいます。屋台蔵前では、屋台を蔵にいれまいとする人々により押し返される光景も見られますが、それもやがて決着し、屋台上では千秋楽の舞が披露されます。最高です。
 

 

© 2017 那珂湊天満宮御祭禮を嗜む

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